登録事業者として登録されるためには、計量法第143条第2項に規定される2つの要件に適合していなければいけません。次にこの2つの登録基準を詳しく解説します。
(参 考)
計 量 法 (抄)
第143条
2 経済産業大臣は、前項の登録の申請が次に掲げる要件のすべてに適合しているときは、その登録をしなければならない。
一 特定標準器による校正等をされた計量器若しくは標準物質又はこれらの計量器若しくは標準物質に連鎖して段階的に計量器の校正等をされた計量器若しくは標準物質を用いて計量器の校正等を行うものであること。
二 国際標準化機構及び国際電気標準会議が定めた校正を行う機関に関する基準に適合するものであること。
1.参照標準の保有
計量法第143条第2項第1号に適合するためには、次のいずれかを満たすということです。
① 特定標準器*2又は特定副標準器*3(以下「特定標準器等」という。) による校正若しくは特定標準物質*4による値付け(以下「特定標準器による校正等」という。)をされた計量器又は標準物質(計量法第136条第1項の証明書が付されたものであり、以下「特定二次標準器等」という。)
を保有し、この特定二次標準器等を用いて校正事業を行うものであること。
② 特定標準器等に連鎖して段階的に校正又は値付けされた計量器又は標準物質(計量法第144条第1項の証明書が付されたものであり、以下「常用参照標準」という。)を用いて校正事業を行うものであること。
申請事業者は、申請に先だって、申請しようとする登録区分に係る特定二次標準器等又は常用参照標準のうち必要なものについて、校正等の実施機関に校正等を依頼し、法第136条第1項の証明書又は法第144条第1項の証明書を取得してください。
なお、計量法施行規則第93条に規定された期間(以下「校正周期」という。)を既に経過している場合には、再び校正等を実施する必要があります。
このうち、特定標準器による校正等の実施機関及び特定二次標準器等の校正周期の詳細については、「計量法に基づく登録事業者の登録等に係る規程」参照。
常用参照標準の校正等を行う機関は、JCSS登録事業者であり、認定センターのJCSSホームページに掲載。ただし、上記②を行う事業者で、国際MRA対応認定事業者になることを予定されている方は、国際MRA対応認定事業者から常用参照標準の校正を受けてください
2.マネジメントシステムの構築
計量法第143条第2項第2号に適合するためには、JCSS登録の一般要求事項に定める要求事項に適合したマネジメントシステムを有することが要求されます。これには、ISO/IEC 17025(JIS Q17025)の校正機関に該当する要求事項が採用されています。詳しくは、「JCSS登録の一般要求事項」を参照。
また、マネジメントシステムは適切に文書化され、それに則って運営されていなければいけません。申請事業者は、申請に際して、申請する校正事業の品質方針、マネジメントシステム、組織等
を記載した最上位文書である品質マニュアル*5、校正手順や方法を定めた書面(以下「校正マニュアル」という。)、校正の不確かさの見積方法を定めた書面(以下「不確かさ見積マニュアル」という。)及びバジェット表などを添付書類として提出する必要があります。

なお、認定センターでは、申請範囲の事業については少なくとも現地審査までにはマネジメントシステムの運用を開始し、内部監査マネジメント・レビューをISO/IEC 17025(JIS Q 17025)の全項目について実施し、予めISO/IEC 17025(JIS Q 17025)への全体的な適合性を自己確認する必要があります。
*2 特定標準器:国家計量標準として経済産業大臣が指定する計量器を意味します。
*3 特定副標準器:繰り返し校正に用いることが不適当な特定標準器に代わるものとして経済産業大臣が指定する計量器を意味します。
*4 特定標準物質:濃度及び熱量の国家計量標準として経済産業大臣が指定する標準物質を意味します。
*5 品質マニュアル:「組織の品質マネジメントシステムを規定する文書(ISO 9000, 2008)」を意味します。
1)品質マニュアル
2)校正マニュアル
3)不確かさ見積マニュアル
4)バジェット表 など