ISO/IEC 17025 認定における主な不備と改善のポイント
1. 文書化・記録の不備
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品質マニュアルや手順書の内容が不十分、または実態と一致していない。
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必要な記録(校正記録、試験データ、内部監査記録など)が不足している。
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文書管理のルールが不明確で、最新版の管理・運用が徹底されていない。
2. 技術的要件の不備
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試験・校正方法の**妥当性確認(バリデーション)**が不十分。
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**測定の不確かさ(Measurement Uncertainty)**の評価が適切に行われていない。
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参照標準や機器のトレーサビリティが確保されていない。
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設備や環境条件(温湿度、振動など)の管理体制が不十分である。
3. 人員・教育に関する問題
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担当者のスキル・知識が不足しており、教育・訓練が不十分。
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責任者や管理者の役割と権限が明確でない。
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内部監査員の知識・経験が不足し、適切な監査が実施できていない。
4. 内部監査・マネジメントレビューの不備
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内部監査が形式的で、改善活動に結びついていない。
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マネジメントレビューの実施頻度が少なく、具体的な改善策につながっていない。
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是正処置が形式的で、根本原因の分析が不十分。
5. 外部審査への準備不足
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審査前の模擬審査(プレ審査)やギャップ分析を実施していない。
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審査で指摘された不適合への対応が遅い、または是正が不十分。
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審査員への説明が不明確で、意図や根拠が正しく伝わっていない。
6. 組織全体の意識不足
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ISO/IEC 17025の取得が形式的な目標となり、実務に根付いていない。
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経営層のコミットメントが弱く、リソース(人員・設備・時間)が不足している。
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現場部門と管理部門の連携が不十分。
7. 継続的改善の不足
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PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルが機能していない。
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不適合が繰り返され、過去の問題が再発防止されていない。
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取得後の維持管理が不十分で、更新審査時に問題が発生している。
まとめ
これらの不備を事前に確認し、適切な対策を講じることで、
ISO/IEC 17025の認定取得および維持の成功率を大幅に高めることができます。