
どうして、ISO17025取得に失敗されたのか?
社内でISO17025取得において、経営者から通達が出て、担当者が決まりISO17025取得の取り組みがスタートした。
この時点での失敗された理由
1.経営者にISO17025とは、どんなものかの知識不足でのISO17025取得の決断。
ISO/IEC 17025は、試験所および校正機関の能力に関する国際規格であり、その認定取得は多くの組織にとって複雑で挑戦的なプロセスです。
以下に、ISO17025認定の難しさについてご説明します。
難しさとは?
この難しさとは、認定をめざすのに、自社で取り組んでいく場合に起こりえます。
それは、運よく自社独自で取り組んで認定を受けられるのであれば問題ありません。
自社独自で取り組みをスタートしたにもかかわらず、最後までの認定に到達出来なかった企業様があまりにも
多いことです。
これには、下記の大きな壁にぶつかるからです。
ISO 17025(試験所および校正機関の認定要件)の取得で悩む主な理由をまとめました。
- 文書化・記録の不備
- 品質マニュアルや手順書が不十分、または実態と合っていない
- 必要な記録(校正記録、試験データ、内部監査記録など)が不足している
- 文書管理のルールが不明確で、最新版が徹底されていない
- 技術的要件の不備
- 試験・校正方法のバリデーション(妥当性確認)が不十分
- 測定の不確かさ(Measurement Uncertainty)の評価が適切でない
- 参照標準や機器のトレーサビリティが確保されていない
- 設備や環境条件(温湿度、振動など)の管理が適切でない
- 人員・教育の問題
- 担当者のスキル・知識が不足している(教育・訓練が不十分)
- 責任者や管理者の役割が明確でない
- 内部監査員の知識・経験が不足し、適切な監査ができていない
- 内部監査・マネジメントレビューの不備
- 内部監査が形骸化しており、問題点が改善されない
- マネジメントレビューの頻度が少ない、または具体的な改善につながっていない
- 是正処置が形式的で、根本原因の分析が不足している
- 外部審査への準備不足
- 審査前の模擬審査やギャップ分析を行っていない
- 審査で指摘された不適合への対応が遅い、または適切でない
- 審査員への説明が不十分で、意図が正しく伝わらない
- 組織全体の意識の欠如
- ISO 17025の取得が形式的な目標になり、実務に根付いていない
- 経営層のコミットメントが弱く、リソース(人員・設備・時間)が不足している
- 現場と管理部門の連携が取れていない
- 継続的改善ができていない
- PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルが機能していない
- 不適合が繰り返され、過去の問題を適切に改善できていない
- 取得後の維持管理が不十分で、更新審査で問題が発生する
これらの点を事前に確認し、適切に対策を講じることで、ISO 17025の取得・維持の成功率を高めることができます。
認定機関のホームページからも難しさが分かります
下記の独立行政法人製品評価技術基盤機構のホームページの中の Nite 3Nite 4 をクリックしてみてください。

【JNLA】【事業者情報】JNLA登録試験事業者の新規登録がされました
【JNLA】【事業者情報】登録試験事業者の登録更新がされました のような記事をみることができます。”
【JNLA】【事業者情報】JNLA登録試験事業者の新規登録がされました”の記事の少ないことが分かります。


弊社で開催しているセミナーの中でも、このISO 17025の認定登録は、簡単にはいきませんとお話しをします。 それは、初めて取り組まれることを社内で決定され、これからISO17025に取り掛かれるのだから、しょうがないのですが、ISO9001.ISO14001等の審査のレベルとは、違います。
ISO17025の認定登録をされますと、取引先の顧客は、試験結果報告書、校正結果報告書の数値を判断され、試験や校正の依頼をされるからです。ここに試験所、校正機関の評価が出ます。
取り組み期間と指摘された不適合の数(認定機関の違いあり)
1.取り組み期間
①自社独自で取り組まれると、認定まで3年以上
②私がコンサルしますと、1年半ほど
2.審査における不適合の数
①自社独自で取り組まれると、100件以上
②私がコンサルしますと、30件ほど